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POSTPONE, the Social Practice

2023, 2024
project

 

summary

POSTPONE, the Social Practice

2023. 9 – on going
sendai mediatheque (Miyagi, JP)
Working Group, Deliverables Pieces, Corporation
Co-realizator : artnode(sendai mediatheque)

貨幣を介さない交換経済の実践として「永続的な貸し借り」の具現を目標にしたアートプロジェクト「社会実践ポストポン」。その仕組みとして、こどもたちが自分の意思でいつでもご飯を食べられる環境を整備し、あわせて飲食店の活性化、地域コミュニティの関わりを拡張を目指している。一連の循環が「どこで破綻するのか」を見定めることも含めて実践を試みている。アートノード(せんだいメディアテーク)との協働。

 


statement

2023年の夏が終わる頃、せんだいメディアテークのアートノードさんから「貨幣を介さない交換の仕組み」について一緒に考えませんか?と相談を受けた。

これは、私自身がこれまで、作品のテーマに「交換」を扱った経験があり、特殊な制約をつけた作品が海外の美術館に収蔵されるなど、制作にトリッキーな部分があることからお声がけいただいたと推測している。また、ここ数年取り組んでいる社会貢献事業の運営の経験から、何か積極的な形で提案や実践ができそうな予感があり、加えて個人的にも、中学生の頃のとある原初的な交換経済に関して「あれはなんだったのか?」と気になるところがあり、これらの点から、参加させていただくことにした。

さて、そもそも貨幣ができる前の交換はどうやら「物々交換」ではなく、「貸し借り(とその記録)」にあるようで、この考え方を新貨幣論というらしい。物々交換では残らなかった太古の記録、つまり帳簿に着目し、貨幣制度導入以前の債務と債券を議論の中心に据える説であるようだ。この話を頭の片隅にいれながら、実際に仙台に行き、意見交換をするうちに、「貸し借りを永久に続けることが可能ならば貨幣は不要」と結論するに至った。少なくとも精算の先送り(=postpone)が、実践の方法として明確となった。現在、実践場所として取材・調査・実装を行なっているのは、こどもたちに飲食を無料などで提供している施設や取り組みと、商店街・アーケードなどにある一般的な飲食店である。加えて現金による精算を、交換経済の「外側」に設置することで、長期的な運営システムの実践を目指している。

貨幣を介さない交換経済の実践として「永続的な貸し借り」の具現を目標に、こどもたちが自分の意思でいつでもどこでもご飯を食べらる環境を整備しつつ、同時に飲食店の活性化を通じて、地域コミュニティの関わりを拡張し、さらにプロジェクト外部に対しても参加を促す仕組みを用意しながら、一連の循環が「どこで破綻するのか」を見定めることも含めて、すなわちアート作品とよんで実践してみる。

 


exhibition

Displacement

2024.7.23~27
Gallery TURNAROUND

大阪を拠点に活動するアーティスト笹原見平は、せんだいメディアテークが展開する、せんだい・アート・ノード・プロジェクト(通称アートノード)とともに、《社会実践ポストポン》を2023年より実施してきました。貨幣を介さない交換経済の実践および、地域振に取り組む同企画は、既存のアート領域に収まらない壮大な視座のもと、福祉、経済、法務、税務、文化人類学などの各専門家による伴走や助言とともに、現実化への過程を公開しながら進行する、アートプロジェクトとなっております。

本展は、昨年度に行われた「お会計先送りワーキンググループ」(2024年2月,even/仙台フォーラス)および、期間中に同時並行で実施されている「ご精算先送りワーキンググループ」を通じて得られる現在進行形の成果を展示します。

そしてDISPLACEMENT (移動、交換、転移、置換)のタイトルが示す通り、これまでも様々な物質や出来事の移動や交換を軸に制作を継続してきた笹原の、過去作もあわせて空間構成することにより、《社会実践ポストポン》をさらに多的に見つめ、今後の展開に向けて検討する機会となります。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 


Deliverable Pieces

  • 《Grilled eel on rice, served in a box》,2024, Kohei Sasahara, photo:TURNAROUND

POSTPONE Deliverable Pieces

2024
ink on paper

社会実践ポストポンのデリバラブルピース。2024年に実施された「お会計先送りワーキンググループ」および「ご精算先送りワーキンググループ」を通じて得られた成果物であり、子供たちが使用したチケットの半券と、飲食店から途中精算したチケットの半券を、再度つなぎあわせ(ず!)額装したものである。購入はこちらから。

 


 

WorkingGroup

ご精算先送りワーキンググループ

“ご精算先送りワーキンググループ a.k.a. ご飯をたべるプロジェクト”
2024.7.22 – 7.27
sendai mediatheque (Miyagi, JP)

 

お会計先送りワーキンググループ

“お会計先送りワーキンググループ”
2024.2.3
Sendai FORUS (Miyagi, JP)

 


 

Discription

Discription2:山本浩貴

“DISPLACEMENT 関連トーク2 笹原晃平+山本浩貴 ”
2024.7.26
Gallery TURNAROUND (Miyagi, JP)

2024年7月22日(月)〜27日(土)に実施された「ご精算先送りワーキンググループ」にあわせて、笹原晃平が、文化研究者・アーティストの山本浩貴(実践女子大学文学部美学美術史学科准教授)とトークを行いました。笹原が実証実験中のアートプロジェクト《社会実践 ポストポン》について、笹原のこれまでの制作を踏まえながら、どのようなアートの文脈に位置付けられるのか考えを深めました。あわせて、プロジェクトをさらに進めていくにあたり、どのようなことが考えらるのか、その可能性を探りました。

 

Discription1:若林緑

“DISPLACEMENT 関連トーク1 笹原晃平+若林緑 ”
2024.7.25
Gallery TURNAROUND (Miyagi, JP)

2024年7月22日(月)〜27日(土)に実施された「ご精算先送りワーキンググループ」にあわせて、笹原晃平が、東北大学大学院経済学研究科の若林緑教授とトークを行いました。笹原が実証実験中のアートプロジェクト《社会実践 ポストポン》について福祉経済学的な視点から、どのような見方ができ、どんな可能性を秘めているのか、その輪郭を明らかにしていくための機会となりました。

 

Discription0:笹原晃平

“ ○△□の表現論(仙台藝術舎/creek 選択講座 vol.07) ”
2024.2.2
even (Miyagi, JP)

<主催者コメント>
笹原氏は、作品や展覧会というアートの枠組みを解釈しなおしたユニークな実践を行っており、現在新たなプロジェクトを仙台で画策中です。今回、仙台藝術舎/creek とともに、笹原氏のこれまでの活動について紹介するレクチャープログレムを実施いたします。

<講師コメント>
皆様はじめまして、笹原です。今回のレクチャーではそのタイトルの通り、視覚芸術→参画芸術→縁覚芸術と、3つの表現分野についてお話いたします。また、作品制作の話だけでなく、これまで作家活動と並行して取り組んできたキュレーションや、デザイン・出版の個人事業や、アルバイトの経験などもご紹介しつつ、アーティストの「職能」をどのように定義できるかの試論を行います。そして、それらの延長上にあり、現在取り組んでいる「作品ではない表現の方法」や「展覧会ではない発表の仕方」のもつ可能性について、皆様と一緒に考える機会となれば、これ幸いにございます。それでは皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 


 

media

てれまさ(NHK)

“ リポート「子供が無料で ごはんを食べるアート」 ”
2024.8.19. (18:10~19:00)
放送局:NHK仙台放送局
放送尺;5分17秒

 

おはよう東北(NHK)

“ リポート「ごはんをたべるアート」 ”
2024.8.16. (7:45~8:00)
放送局:NHK仙台放送局(東北6県で放送)
放送尺;4分43秒

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